■電球豆知識 (ハロゲンランプ技術資料)
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光束減衰解消と長寿命

電球の寿命を左右するのはフィラメントの蒸発です。通常の白熱電球では、不活性ガスをバルブ内に封入してフィラメントの蒸発を抑制しています。しかし、ハロゲンランプはハロゲンサイクルによって、一般白熱電球の約2倍の長寿命を可能にしました。しかも、蒸発したタングステンがバルブの管壁に付着しないために、バルブの黒化による光束減衰もなくなり、最後まで明るい光です。(図1)
超小型と多彩な形状

たとえば、同じ100Wの白熱電球とハロゲンランプを比較すると、容積比はなんと1/200。ハロゲンランプは非常にコンパクトと言えます。(図2)

それゆえに数多くの特長を持っています。第一に光のコントロールが自由自在なこと。器具設計の面でユニークな設計と省スペース化を実現し、室内や商品への照明として、きらめき感のある魅力的な照明演出を再現します。


電流が流れフィラメントが高温になると、 フィラメントからタングステン原子が蒸発し、封入されているハロゲンガスのハロゲン原子と結合し、ハロゲン化タングステンを形成します。この分子はバルブ内を浮遊し、高温のフィラメント付近でハロゲン原子とタングステン原子に分離します。タングステン原子は再びフィラメントに戻り、遊離したハロゲン原子は以前の反応を繰り返します。この一連の反応が「ハロゲンサイクル」でこれによりバルブ壁の黒化を抑制し、フィラメントの消耗を防止します。コンパクトで長寿命、これがハロゲンハロゲンランプの最大の特長です。
(図3)

*ハロゲンランプのバルブ内には、塩素や臭素などのハロゲン族元素が封入されています。これらを一般にハロゲンガスと称しています。
すぐれた演色性と高い安定性

すぐれた演色性を発揮するのもハロゲンランプの特長です。ハロゲンサイクルによって、寿命末期まで高い色温度で安定した光を放ちます。TV・写真スタジオ、舞台照明など、自然光を重要視する用途に最適。一定ないい色を見せる光源です。(図4)


電圧変化と諸特性変化

ハロゲンランプにおいては、各特性の変化率(F/Fo)は、電圧の変化率(V/Vo)に対し、近似的に次の関係があります。

下の表にはKの値を示しています。(ただし、電球の構造によってKの値は若干変化します。図5はその関係を示しています。


フィラメント形式 C−6(CC−6)
フィラメントが封体軸に対して垂直になってるもの。
C−8(CC−8)
フィラメントが封体軸に対して平行になってるもの。


各部の名称
両口金型
片口金型
シール部寿命
ハロゲンランプ、メタルハライドランプとも、シール部には、モリブデン箔が用いられてます。
このモリブデン箔は完全には外気と遮断されているわけではなく、外部リード棒と石英ガラスとの繊細な隙間を通して空気にふれています。

モリブデンは350℃程度の高温になると非常に酸化しやすい性質があります。このため350℃付近でモリブデン箔に酸化が始まり、体積が増えていきます。
そしてシール部がモリブデンの体積に耐えられない時点で破損が起こり、モリブデン箔も切れてしまいみます。したがってシール部は350℃以下であることが望まれます。

ただし、定格寿命の短い高効率のハロゲンランプでは、350℃を超えるシール部温度であっても実用上使用可能な場合があります。
参考資料:ウシオライティング光源総合カタログより抜粋